月別アーカイブ: 2007年1月

2007.01.17

不動産巡り

訳あって、東京下町向島界隈で不動産巡りをする。

しかし、ここ何年かこのあたりをうろうろしているけど、今もって面白い話題には事欠かない。もちろん人が面白いのもあるんだけど、この地域特有の雰囲気というかね。
それに、何だか僕にはとてもなじむ地域なんですね。もし、僕が誰かの生まれ変わりだとしたら、その人は確実にここらあたりに住んでいたんだろうな、なんて思う。

さて、不動産巡りだけど、これもただじゃ終わらない。
だって、普通であればめぼしい物件を紹介してもらって不動産屋の人と一緒に物件を見に行く、という事になるんだろうけど「今、仕事が忙しくて一緒に行けないので、鍵を渡すので見てきてください。自転車もお貸しします。」だって。
信頼しているのか面倒なのかわからないけれど、鍵をお客に預けて大丈夫なのかね、、、。それに自転車でどうぞってのもね。面白い人たちだよ、ホント。

まぁ、そうは言いつつも、預かった鍵と地図を頼りに自転車で物件を巡るのも楽しかったし、近所の雰囲気も自転車でぶらぶらしたおかげでよくわかった。
もし、そこまで考えて鍵と自転車を貸してくれたとすれば「この人、やるな」なんて思うけれど、たぶんそんな事はないと思う。でも結果オーライ。楽しかったしね。ますますこの地域に住みたくなったよ、不動産屋さん。

2007.01.16

ちょいと思う事など

何でこんなこと思い出したのかわからないけれど、僕の記憶が正しければ、細野晴臣が何かの本やテレビ番組で「コンピューターが進歩したこの時代だからこそ、今はアナログなんだよ」とか「サンプリングなどの技術が向上するいうことは、アナログの音に近づくということだから、結果、アナログの音との相性はよくなる」と言っていたように思う。

何だか納得、、、。

そして、そんな細野晴臣の発言をそのままアートなんぞに当てはめて考えてみるといろいろと思うところが出てくるし、ロックやテクノを経験し、アンビエントを経由した今の細野晴臣の楽曲を聴いていると、そのあたりが体現されていて興味深い。

だけど、そんな風に細野晴臣の発言や楽曲からいろいろ考えている自分がいることに気づくと「そういえば、最近はアートよりも他のジャンルへの興味が大きくなったな」なんて思ったりする。
でも、それは僕がアートにあまり魅力を感じていないという事の裏返しでもあるかもしれないし、僕の作品もそういう風に魅力がないものとして受け取られているかもしれないな、なんて思ったりもするわけです。

2007.01.14

花束/若林奮

昨日見た『花束/若林奮』展について思うところがあったので、、、。

これは私見でしかないけれど、ギャラリーを出る前に展示しているドローイングをひと通り眺めていたら、ふとある事が頭をよぎった。
「これってもしかしたら『緑の森の一角獣座』と関係があるのかしら」なんて。サインも1996年になっているし、時期的には重なっているよな。

そう思いながら、再度、ドローイングを眺めていると、そこに描かれている棒状のものが『daisy』という彫刻作品に見えてくる。そして、あるドローイングでは等間隔に描かれた『daisy』を結ぶ事によって出来る線が結界になっているようにも見える。
そこで、ほかのドローイングもあらてためて眺めてみると、『daisy』らしきその棒状のものが数本の束になって点在しているものもあれば、ひとつの塊となって地中に埋まっているように見えるものもある。

もし、その棒状のものが『daisy』であるとして、もう少し想像を膨らませながらドローイングに記された番号を頼りに順に眺めてみると、最初のドローイングはまだ森に囲まれている『緑の森の一角獣座』の場所を指示し守るための、『daisy』による結界が描かれているようでもあり、最後のドローイングは、処分場のゴミに埋もれながらもその上部のみ見せる『daisy』の塊、つまり「ヒナギクの花束」が描かれているようにも見える。

うぅ~ん、僕は若林奮の研究者じゃないから真意の程は分からないけれど、そうやっていろいろ考えながらドローイングを眺めるのもまた面白いですね。
でも、一方ではそんな事関係なしに漠然とドローイングを見ていても楽しめちゃうもんだから、やっぱり作品を見るのはやめられないね、なんて事も思うわけです。

2007.01.13

アグネス、花束、eggに藍

夕方から都心で用事があったので、ついでという訳ではないけれど、いくつか気になる展覧会などに行ってみる。

まずは神楽坂のアグネスホテルアンドアパートメンツ東京でやっている『A@A アート・アット・アグネス 2007』に行く。
去年、個展をさせてもらったGallery Stump Kamakuraも参加していて、どんな感じなのか興味があった次第。

当然のように参加しているほとんどのギャラリーが商談ブースと化していて、僕にはあまり興味が湧かない。
ホテルの一室でやっている意味もあまり感じないし、生活の一部にアートを、なんて感じもそこからは感じない。僕がギャラリストやバイヤーであれば別なんだろうけど、商談しているところなんて見ても面白くないし、、、。僕の考えが古いのかなぁ。
でも、いくつかの部屋ではそうではない展示をしていて、それがあったのは僕には済いでした。まぁ、こんなこと言っても負け犬の遠吠えにしか聞こえないんだろうな、とは思うけれど、、、。

さてと、お次ぎは初台のケンジタキギャラリーでやっている『花束/若林奮』展に行く。
アグネスで疲れた体と心を癒しに行ったわけではないけれど、見終わった時には何だか癒された気分。
やっぱり僕は「作品を鑑賞する/される」ということにとても興味があるし、そこで作品を販売していたとしても「鑑賞する/される」ということが前提にないと面白くないんだよね。

だから、作品が展示されているところがカフェだろうがホテルの一室だろうが、もちろんギャラリーも含めて、作品と対峙することができないと僕は「何なの、これ」てな感じに思っちゃうわけです。
何だか洋服屋で楽しく商品を選んでいるのに、いちいち店員が話しかけてくるみたいでね。余計なお世話な感じがするわけです。

そんでもって、お次ぎは銀座の資生堂ギャラリーでやっている『shiseido art egg/平野薫』展に行く。
これはワンピースなのかな、糸までほぐされて天井から吊るされている。何だか逆さになった花みたい。そして、ほぐされた糸で出来たその作品は人が移動するだけで作品はゆらゆらと、繊細ですね。

サブスペースには作業をしたタイムカードが展示されていたけれど、作家の興味が衣服などを糸までほぐし再構築する事以外にもあるのかな、なんて思ったけど、いまいちその本意はつかめませんでした。
さてさて、最後は京橋にある藍画廊に新年の挨拶がてら行く。

個展ももうすぐだ。でも、今回はいろいろと遅れているから頑張らねばいかん。DMの発送も遅れているし、、、。気合いを入れねば。