月別アーカイブ: 2013年9月

2013.09.15

ぼくのじじょう 僕の事情 ジョン・レノン

「子育てと美術」展も昨日で終了。1週間は早いですね。
以下は同展に寄せたテキストです。

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ぼくのじじょう 僕の事情 ジョン・レノン

 かつてジョン・レノンは誕生した我が子が5歳になるまで、子育てに専念すべく音楽活動を休止した。高校生の時、ジョン・レノンの曲を飽きることなく聴いていた僕は、そんな彼の行動に驚きと好感を持ちながら、僕も子供を授かったらハウス・ハズバンドだと半ば夢見心地に憧れていた。けれども思春期が終わるにつれてジョン・レノンへの熱が冷めはじめると、夢から覚めるように憧れも薄れていった。

2011年、息子が生まれた。母子家庭で育った僕には父親像というものがほとんどない。あるとしてもそれはいつも借り物だった。それでも僕は、戸惑いながらも借り物の中に父親としてあるべき姿を探し求めた。そんな時ふと、薄れていた憧れとともにジョン・レノンが子育てに専念していたことを思い出した。
 なぜジョン・レノンは音楽活動を休止してまで子育てに専念したのだろうか。前妻に生まれた子供との関係に挫折感を覚えたからか。それもあるかもしれない。けれども僕は、オノ・ヨーコとの間に生まれたショーンと日々向き合うことの中で、時に鏡のようにショーンが映し返し示しただろう、父親としてのジョン・レノンを彼自身が見つめ受け止めるための、そしてジョン・レノンが自身の事情で子育てに専念したように、まだ幼いショーン自身にも言葉にならない事情があるということに気づき、それに耳を傾けなければいけないと感じ取ったからではないだろうか、と思う。
 父親としてあるべき姿。借り物でしかない父親像。僕は探し求めるのをやめることにした。

 思えば僕にとって作品をつくるということは、映し返されるいまだ何かとしか言いようのないものに向き合い、耳を傾け、それを受け入れながらつねに捉え直すことの営みだった。高校生の時に抱いたあの憧れは、いま目の前に現れていることとして、息子との暮らしの中で子育てと分け隔てることなく、作品をつくることへも僕を向かわせている。

2013.09.09

真似されました

20130909

昨日のオープンスタジオでの事。
一緒に参加しているIさんの息子さんが、僕と息子の作品(彫刻)を見て言った事が、

「こんなの僕でもつくれるや」

それで今日、初日を迎えて藍画廊に伺ってみると、、、企画者のMさん曰く、
「気がついたら、用意した小さな椅子の上に折り紙がくしゃくしゃになって置かれていたのよ」
だそうです。

昨日の発言にしろ、今日の行為にしろ、僕にとってはうれしい事です。

展覧会は初日にして賛否両論のようで、僕はとりあえずそういう展覧会になってよかったと思うけれど、Mさんからどんな事を言われたのか聞いていて思う事多々あり。

まだ展覧会が始まったばかりだから何とも言えないけれど、きっと、この展覧会によい印象を持たない人は、小さな椅子に座っても居心地が悪いんだろうな、と思った次第。

2013.09.02

子育てと美術

展覧会のお知らせです。

子育てと美術

2013年9月9日(月)-14日(土)
11:30-19:00(最終日 18:00)
オープンスタジオ:9月8日(日)13:00-17:00

この展覧会は、以前「かわだ新書」でお世話になった村田早苗さん(mhr)が企画されたもの。
テキスト集も発行されるので、そちらもよろしくです。

かみさん曰く「今回のテキストは素直に書けてるね」との事。
僕自身、そう思います。

お時間がありましたら、、、。