月別アーカイブ: 2007年6月

2007.06.14

モネとおばあちゃん

夜、国立新美術館でやっている『大回顧展 モネ 印象派の巨匠、その遺産』展を見に行く。

う~ん、やっぱり最晩年の作品はいいなぁ。
最晩年の『ばらの小径』や『しだれ柳』などを見ていると、実際、眼の病で視力が著しく衰えていったとはいえ、モネにはあのように風景が見えていたのかもしれないと思えてくるし、もしそうであれば、僕にはモネが網膜に映る光景に対してとても忠実に、リアルに描いたんじゃないかな、と思えてくる。

ところで、この展覧会は大回顧展ということもあって初期の作品も多く展示されているわけですが、そんな作品たちを見ていると「これって、うちのおばあちゃんが描いている絵とあまり変わらないじゃん」なんてものもあるわけです。
まぁ、うちのおばあちゃんの行っているお絵描き教室ではこの時期のモネとかを参考にしているだけなんだろうけど。

で、そっくりついでに、うちのおばあちゃんも年相応に眼にも不自由が出てきているので、もしかしたら、なんてことはないだろうけど、「このまま絵を描き続ければモネの最晩年のような絵を描くかも」なんて、想像してみると楽しいものです。

2007.06.13

21_21

20070613

東京ミッドタウンにある「21_21DESIGN SIGHT」に行く。
目的は「第1回企画展 深澤直人ディレクション『チョコレート』」展を見るため。
建物に入ると展示会場入り口でチョコレートを配っていてね。「展示を見ながら食べてもいいですよ」だって。洒落てますねぇ。

で、展示はというと、展覧会の趣向としてプレゼンテーションになっているのは仕方ないとして、でも、それを超えるものもいくつかあったし、とっても興味の惹かれる展示で楽しめます。
それに、何と言っても展示を見ている人たちがとっても楽しそうで、皆から笑顔が溢れているんですね。

僕はそんな笑顔を見ていると「そういう事ってとても大切な事なんじゃないか」と思ったりするわけです。
もちろん楽しければいいということではないんだけれど、でも、気難しい顔にしかなれない展示はね、どこかユーモアに欠けているような気がしてしまうんですね。

まぁ、これは僕自身の展示についても言える事だから「あんたの展示はどうなんだ」なんて言われるとちょいと困ってしまうんだけど、、、。

2007.06.10

After “By” (右から左へ)

20070610_1

20070610_2

このところ実家に帰る度に植物の手入れをしているような気がする。

まぁ、展覧会に使うこということあるし、これも制作の一環と思っているんだけど、理由はともあれ他人から見ればただの庭いじりにしか見えないだろうな、とも思ったりする。

どこまでが制作でどこからが制作以外かなんて考えても仕方がないとは思うけれど、場合によっては「それは制作でも作品でもないよ」なんて、思ってもみないところに線引きをされることもある。

もちろん、そういう他人の線引きを「間違っている」ものとして頑固として認めないか、「そういうのもあるよな」なんて受け入れてみるかは人によってそれぞれだと思うけれど、、、。

で、君にとって植物の手入れをしている事について聞かれたとすれば、「これはいずれ作品の一部になるものなので制作の一環としてやってます」と答えつつも「単純に植物が好きだからです」とも答えるだろうと思うわけです。

もちろん、他の理由もあるけれど、とりあえず相容れないだろう答えや理由を受け入れるものとして僕は植物を捉えているし、そういうものだと思うから植物を扱っているとも言えるわけです。

そして、それは「植物は誰もが好きなように見る事も名指しすることもできるしそれを受け入れもする。でも、ある特定の見方や名指しだけに限定されない」ということでもあるわけです。

これは余談だけれど、今、流行しているお笑いのネタに例えて言うとすれば、植物は僕たちの眼差しを「右から左へ受け流す~」という風になるのでしょう。