2007.08.08

聞こえなかった言葉

20070808

薬師寺幸二『永山則夫 聞こえなかった言葉』を読む。

高田渡が永山則夫の詩に曲をつけていたことをきっかけに、永山則夫の『無知の涙』を読み、そこから薬師寺幸二『永山則夫 聞こえなかった言葉』にたどり着く。
現役家裁調査官でもある著者が描き出す永山則夫像は、永山則夫が獲得した言葉の可能性と限界も浮かび上がらせていて、それが僕にとって新鮮だったかな。

とはいっても、この著作の先にあるのは永山則夫論ではなく、少年犯罪防止のために、彼の犯した犯罪やそれに至るまでの生活を通して僕たちが何を学ぶべきか、ということにあるから、永山則夫に興味がなくても読み考えさせる本です。