2008.02.15

VALLEYS

20080215

横須賀美術館『若林奮/VALLEYS』展に行く。
このように2nd Stageとして展開された『Valleys』を見ると新鮮ですね。

思えば、それまで写真でしか見た事がなかった『Valleys』を実際に見たのは、若林さんのお手伝いを少ししていた頃、作品保管倉庫まで同行した時のこと。
『Valleys』は解体した状態で倉庫の壁に重なるように立てかけられ、パーツによってはひしゃげていたようにも思う。
でも、薄暗い倉庫の中で『Valleys』はその存在感と光をはなっていたように記憶している。

カタログを読むと、野外設置されるまでに作者である若林さんも急逝され、スタッフの間でも紆余曲折があったようだけれど、このように『Valleys』が残されたことに、単純に僕はうれしく思う。

だけど、作者が亡くなった後、残された作品の解釈をめぐってはさまざまな風が吹く。
そして『Valleys(2nd Stage)』も例外なくその風にさらされている。

そして、かつて僕が若林さんの指示のもと展示をお手伝いした作品が、その当時とは異なる状態で展示されているのを見ると複雑な気持ちにもなる。
もちろん、僕は短期間しかお手伝いをしていなかったから、実際のところ僕が受けた指示はその時だけのものかもしれない。

ただ、作者の死後、作品をどのように残し展示するのか、そこでは難しい判断を迫られることもあるだろうし、作品自体も痛みを伴うことがあると思う。

ところで、展覧会はといえば『Valleys』を中心にほかの彫刻やドローイングなども交え、見終わるとある豊かさとともに、若林奮という作家がいかに彫刻を考えその周辺までも視野に入れていたかよくわかる展示になっています。

さてと、今日は夕方からレセプションのようだけれど失礼して、、、。
今度は美術館とともに周辺を散策してみたいですね。