2007.02.16

最後は銀座で蝶が羽ばたく

このところちょいとバタバタしていて、このDailyに書き込む時間も大した話題もなかったのでしばらくご無沙汰していました。でもやっと落ち着いてきたから少しずつ書き込んでいこうと思います。

さてと、今日は都心で所用があったので、ギャラリーをまとめて巡ることにする。まずは表参道のNADiffで開催中の『記録 第6号/森山大道』展へ。

うぅ~ん、どうなんだろう、、、。以前、RAT HOLE GALLERYでやっていた時も思ったけれど、あまりピンとこないなぁ~。でも『記録』という本自体は、これから年4回のペースで刊行されるみたいだし、それは少し興味を持って見ていこうと思う。

そんでもって、せっかくNADiffに来た事だし店内をうろうろ物色する。
価格もサイズも手頃なマルレーネ・デュマスの画集が気になったけれど、そういう時に限って財布には木枯らしが吹いてるものなのね、、、。

さてと、お次ぎは六本木にあるmagical, ARTROOMで開催中の『WORM HOLE episode 5』展へ。この展覧会には、以前appelでのグループ展でご一緒した石川卓磨君が参加していて興味があった次第。

展示している写真作品はというと、いつものように「何か」を予感させる感じですね。それに展示室の壁を全てつかって円環状に展示しているものだから、しばらく見ているとどこが始まりで終わりなのか分からなくなる。もちろんどの作品も始まりであり終わりでもあるんだろうけどね。

さて、石川君の作品を見終わった後は、同ビル内にある他のギャラリーの展示を見つつ、隣のビルに入っているSCAI X SCAIへ。
初めて入るギャラリーだから少し緊張したけれど、展示されていた岩崎智子さんの絵画も手伝ってか、すぐにそんな事忘れてしばらくぼおうとする。

続いては、銀座のSHISEIDO GALLERYで開催中の『shiseido art egg/水越香重子』展へ。
何だろう、展開されているストーリーを解釈しようと思うけれどいまいちつかみきれず。では小スペースに展示されていたスチール写真はというと、こちらも消化不良な感じが残る、、、。

で、そんなもたれ気味の胃を抱えつつ、お次ぎはギャラリー小柳へ。でも、そんなもたれ気味の胃も『no lemon, no melon/田幡浩一』展を見て解消する。

これは見てよかった。特に映像がいいんだよね。それに全ての作品に共通するこの軽やかさ。ペインティングはあまりピンとこなかったけれど、映像はホントいいな、と思う。

映像作品でやっていることはとても素朴な事だし目新しい感じでもない。でもグッと引きつける魅力があるんだよね。もちろんそれはコマ撮りされた映像特有の魅力もあると思うけれどね。
でも、ロウソクや蜂をモチーフにした映像の、最後にホワイトアウトしてしまうような、白紙になってしまうところがまたいいわけです。

で、最後に入り口のガラスケースの中に展示されている映像作品が、またいいんですね。
最初は鉛筆のようなもので描かれた3本の線が映されているだけで「何だろうな」と思ったけれど、しばらく見ているとその線が羽を広げる蝶に変わってね。その時「はっ」と思うわけです。はじめに見ていた鉛筆の線は、羽を閉じている蝶を真上から見たところだったのね、という具合に。

それにモニターのサイズもちょうどメモ帳くらいの大きさでね。何だか実際にメモ帳に書いた線から蝶が羽ばたくような感じがして妙にリアルなんだよね。

あぁ~、見てよかったなぁ。まだ会期終了まで日にちがあるからまた行こっと。