2006.12.02

神保町で銀座に京橋

神保町、言水制作室で開催中の『めくられるべくある頁/利根川友利』展に行く。

室内全体で作品が展開されていて、言水制作室の雰囲気がいつもと違う感じがする。
多分、古書に寄生するように糸を縫い付けている作品が、室内にも寄生しているように感じた事もあるんだろうな、なんて思う。

さて、今回は近所の古書店でも同時開催されていて、そちらにも伺う。

しかし、古書を探しにきている人たちは利根川さんの作品をどう思うのだろうか?利根川さんの作品は古書に糸を縫い付けたりしているからね、面白いと思う反面、古書になんて事を!なんて思う人もいるんじゃないかと思うんだけど。
でも、そのような作品をあえて古書店に置いたとすれば、相反するであろう反応を含んだものとして作品があるのかな、もしそうだとすれば、面白いんじゃない、なんて思うわけです。

さてと、利根川さんの作品を見ながら神保町もぶらぶらしたし、銀座、エルメスでやっている『木村伊兵衛のパリ/木村伊兵衛』展に行く。

ガラスばりの展示室とコンスタンティン・グルチッチによる展示構成とあいまって、午後の光に照らされながら、きらきらとカラー写真が輝いていますね。
この展覧会もライカ銀座店サロンで同時開催されていて、そちらはモノクロでした。しかし、敷居がお高いですね、こちらは。
でも、普段からみすぼらしい格好でうろちょろしているから、敷居が高かろうと慣れちゃ~いるんだけど、、、。

続いて、ポーラ ミュージアム アネックスで開催中の『ジネ・ザンメルン/足立涼子』展に行く。
とてもデリケートな作品で、監視の方にお願いすると、作家自ら製本した作品を1ページづつめくって見せてくれる。
そして、そんな作品を鑑賞していると、自ら手に取らなくても本というメディアは作品との距離を縮めてくれるもんだな、なんて思ったりする。

さて、最後はギャラリー小柳と来年個展をする予定の藍画廊に立ち寄って、ぶらぶらしながら家路に着く。

しかし、神保町の古書店で手に取った本に深瀬昌久の鴉が載っていてね、買っておけばよかったかな。深瀬昌久の鴉はずっと気になっているし、、、。少し後悔。
誰か、深瀬昌久の写真集『鴉』を復刻してくれないかなぁ~。