月別アーカイブ: 2007年5月

2007.05.24

かみさんを間違える

ちょっと前の話になるけれど、SHUGOARTSでやっていた『なぜ、他ならぬ横浜図鑑か!!/中平卓馬』展での事。

小山登美夫ギャラリーで『空への近道/杉戸洋』展をうちのかみさんと見た後、せっかくなのでSHUGOARTSに寄ってみると、そこには入り口の仮設壁に投影された写真を眺めている中平卓馬が、、、。
かみさんと「あの人、中平卓馬だね。」「横浜で見た時と同じ赤い帽子かぶっているよ。」なんて話しながら、二人で仮設壁の先にある作品を見に行く。

僕は一番奥に展示してあるピンで吊るされた写真たちを、かみさんはその手前にある大判の写真を見ている。
しばらくして、何やら僕の背後に視線を感じたものだから「かみさんもこっちを見に来たのかな」なんて振り返ると、なんと腰をかがめ僕を見つめる中平卓馬が、、、。しばし僕と中平卓馬は見つめ合う、、、。

僕はてっきりかみさんかと思ったんだけど、腰をかがめた中平卓馬はうちのかみさんと同じ位の背丈で、しっかり間違えました。
でも、中平卓馬の眼をしっかり見る事ができたのは何よりの経験です。何てったってとっても澄んでいるんですから!

いや~立ち寄ってよかったです。かみさんには悪い事したけど、、、。

2007.05.22

Colors

所用で都心に出掛けたので、帰りに日本橋の丸善でやっている『SOLITUDE DE L’OEIL 眼の孤独/森山大道』展に立ち寄る。
森山大道といえばモノクロ、というなかれ、カラーもいいんですね。ビビッドな色彩でありながら、それは渋くもあり、しかも匂いが漂っている感じなんですね。
そんなカラー写真を見ていると「光と影に反応する優れた臭覚」と同様に、色彩の鮮やかさや濃淡への感度も優れているだろうな、なんて思うわけです。

2007.05.20

西浅草の人たち

実家にいる家族が三社祭を見に来るというので、昨日に引き続きうちのかみさんも交えて三社祭に行く。
今日は祭りの最終日で、一之宮、二之宮、三之宮と三基の宮神輿が担がれるから僕もひそかに楽しみにしていた次第。

で、一日かけて三基の宮御神輿と西浅草の神輿を見てみると、地域によって雰囲気も異なれば、担ぎ手たちの様子もそれぞれで面白い。
例えば、西浅草で見た二之宮は、ほかの宮神輿とはだいぶ雰囲気が違っていてね。それも担ぎ手や仕切っている人たちが、、、。つまり、普段、世間一般の人たちのようにはあまり陽の光を浴びていないだろう、入れ墨をされた方々なんですね。

まぁ、人を見た目で判断するのはよくないけれど、案の定というか、担ぎ手を交替する時にもめ事が起きていてね。「うるせぇ~」「ばかやろぉ~」なんて怒声が聞こえくるわけです。
それに皆さんお酒もたんまり飲んでいるのでしょう。いざ二之宮が担がれたと思ったら、まったくまっすぐ進まず、まるで千鳥足状態。道路を右へ左へ、時には前後へ蛇行しているわけです。

でも、その近くで「お互い仲良くやろうよ」なんて仲介が入ってなだめられている様子を見ていると「みんな宮神輿を担ぎたくて仕方がないのね」「あ~ら、かわいいじゃない」なんて思っちゃうわけです。

さて、もうひとつの西浅草の神輿はというと、こちらは町内会で持っている神輿なんだけれど、場所柄もあってか、宮神輿と比べても見劣りしない立派なものなんですね。神輿のそばで座っていたおじいさんに話を聞いてみると「これ1トンあるよ」だそうです。

そして、こちらも案の定というか、今年から神輿の上に乗っちゃいけない事になっているのに、神輿が担がれると全身入れ墨の方々が次々と神輿の上に乗っちゃってね。下で担いでいる人たちは「ただでさえ重い神輿なのに勘弁してくれ~」と言わんばかりに顔をしかめて今にもダウンしそうなんですね。

でも、神輿の上で威勢良く合図を入れながら舞っている、そんな入れ墨の方々を見ていると「そういえば僕が小さい頃はよく見かけたよな、こういう人」なんて思ったりするわけです。それにこの方々、いわゆる「暴力団」というよりは「やくざ」といったほうが似合うよな、なんて事も思うわけです。

確かに興奮しすぎてもめ事も起こすけれど、でも、みんな祭りや神輿が大好きで仕方がない。だから、神輿を見ると胸がわくわく、神輿の上に乗りたくなっちゃうのでしょう。とっても単純明快な人たちなんですね。
もちろん神輿の上に乗るという事は神様の上に乗る事でもあるから大変失礼なことではあるんだけれど、、、。

「今年、神輿の上に乗ったら来年は宮神輿は宮出ししないよ」という事らしいから、来年がどうなるかちょっと心配です。