2014.07.20

解像度

何かの時にふと思い出す事がある。
例えば、学生の頃の事。

昼休みになると、僕は誰とご飯を食べるわけでもなく近くの公園にひとりで行って、高台にあるベンチに半ば寝そべりながらタバコを吹かしていた。
空に浮かぶ雲を眺めてどこかふわふわと浮世離れした気分になったり。雲ひとつない晴天の時は「こんな空みたいになるにはどうしたらいいんだろう」と考えたり。

学校での生活が嫌でそこに行っていたというわけではなかったけれど、だからといって何をしていたのかといえば、ただ空を見上げながらタバコをぷうと吹かしているだけ。
ただ、そうして過ごしている時間がとても楽しかったし、あの時間は貴重だったな、と今でも思う。

でも、それが高解像度で思い出されるのかといえば、むしろ低解像度というか。
いくつかの出来事は思い出されるけれど、ほとんどは「あの時のあの感じ」といったように漠然としている。それでも確実に「あの時のあの感じ」として残っている。解像度は低いけれど、とてもクリヤーというか。

そう思うと、展示を見てくれた人それぞれに高解像度で残らなくてもいいのかな、と思ったりする。
何となく気になって、何かの時に思い出して、また気になって。

そんな事を、夜な夜なお酒を飲みながら、ふと思った次第。