2013.11.25

M君、またどこかで

定期的に送られてる、かつて通っていた大学の情報誌。
いつも隅々まで目を通すことはないから、今回もパラパラめくるだけだった。

かみさんもいつもは僕と同じようにしていたようだけど、なぜか今回はいつもよりちゃんと読んだらしい。
そして見つけてしまった、ご逝去された方々の欄にM君の名前。

あなたにとって親友は誰、と聞かれれば、僕にとってM君が唯一だった。
といってもM君は僕のことをそう思ってはいなかったかもしれない。

大学を卒業してから徐々に会う機会も減り、ここ数年は郵便物も届かなくなった。
それでも僕はよかった。またどこかで偶然にでも会うことができればと思っていた。そして、僕の勝手な思いではあるものの、そういう関係を築くことを彼は許してくれるだろうと思っていた。

いろいろなことに敏感に反応するアンテナを持ち合わせていたM君。
何気ない言葉の中に鋭い指摘が含まれていることも多かった。
立ち居振る舞いはいつも色っぽく、そしてかっこよかった。

こんなかたちでM君のことを知りたくはなかったけれど、こんなかたちでしか知ることもなかったのかもしれない。
あなた、どうせいつものようにパラパラめくるだけでしょ。だからかみさんに今回はちゃんと目を通すようにと伝えておいたよ、とM君に言われているかのようだ。

M君、またどこかで。