2010.05.19

礼儀を払いつつお互い自由に

芬陀院での事は先日書いたけれど。
思うところがあったので、もう少し、、、。

僕は芬陀院の庭や茶室など撮影している。
もちろん断りもなく撮影をする事自体、礼儀に反していると言われるかもしれないけれど。
でも、その中で出来る限りの礼儀を払いつつ、撮影する対象を僕は定める。
だから普段だったら撮影していたであろうシチュエーションでも、場合によってはカメラを伏せる。

芬陀院での経験は、例えば見ず知らずの人どうしがお互いに礼儀を払いつつ、その中で自由に振る舞う。
そしてその自由な振る舞いも、お互いの関係の中で常に更新されていく。
そんな感じだったのかもしれません。

ちなみに、去年、岐阜市文化センター玄関ホールでの展示はこれに近い経験だったかもしれません。
特に売店の辺りが、です。

売店の前には複数のベンチ。そこに座ってそれぞれの時間過ごす人々。
商品ケースの上には生け花や売店の備品。そしてそれと共にある僕の写真。
けっして僕の写真を邪魔に思うわけでもなく、だからといってすごく関心があるわけでもなく。

ほどよい関心とほどよい無視。

お互いに礼儀や敬意を払いつつ、でもどちらかが優位になるわけでもなく。
どれもが隣り合っていると感じるながら、みんなそれぞれに楽しんでいる、その状況。
もしかしたらそこにあるのは配慮だけかもしれない、とも思う。

でも芬陀院や売店での経験は、今の僕にとって貴重なことだと、ふと思ったりするわけです。