2008.10.09

品川に目黒

時間が出来たので美術館巡りをする。
まずは原美術館でやっている『米田知子 – 終わりは始まり』展へ。

この人の作品、僕は嫌いではないけれど、やっぱり気になるところがいくつかあるわけです。

というのも、僕は写真には写るものしか写らないと基本的に捉えているし、何より写真を通して記憶や写らないモノや事についての考察が藤原新也のある作品を思い出させてしまうから。
こんな捉え方は論外かもしれないけれど、、、。

藤原新也は東京漂流という本で似たような事をやっているんですね。

どういうものかというと、かつて金属バットで両親を撲殺するという事件がありましたが、その現場(家屋)を時間をおいて何枚か撮影するわけです。
そして最後の写真は家が取り壊され雑草が生えた空き地。

どうでしょう。
米田知子の作品にとってキャプションが大切な要素になっているように、藤原新也の写真にもちゃんとコピーがついついます。

「血飛沫(ちしぶき)をあつめて早し最上川」

このコピーが付いているのは、事件現場の家をあたかも住宅広告みたいに撮影した写真ですが、、、。

さてとお次は目黒区美術館でやっている『丸山直文 – 後ろの正面』展へ。

こうやって作品をひと通り見ると、丸山直文は悩んで行き詰まってもステイニングという技法を捨てなかったことがわかりますね。
絵描きではない僕からみると、描く事に行き詰まった時って何か描く理由を探したくなるんだろうけど、ステイニングという技法を保持したまま、変に演歌っぽくならなかったのがよかったんでしょうね。

さてと、最後の部屋にある記録映像は興味深かったですよ。