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2007.12.05

DAISY

多摩美術大学美術館まで『若林奮 DAISY 1993-1998』展を見に行く。

彫刻と同時にDAISYらしきものが白抜きで描かれているドローイングを見ていると、DAISYという彫刻が日の当たるところというよりは影の部分、陽より陰に関わっているように見えてくる。
それにDAISYの鉄が焼かれた表面や花粉に見立てただろう石膏を見ていると、この人には目で触る感覚もあったんだろうな、なんて思ったりもする。

話しは変わるけれど、高田渡の曲は始めから古いことで古びていくことや懐メロになることから免れていると思う。
そして、そんな事を思うと若林奮の作品が高田渡の曲に近しく感じたりする。

つまり、それは作品が時間による変化や物質として劣化していくことも始めから要素として含まれているゆえに、作品が傷ついたり劣化していくことでは作品の質や価値が下がることはないということなんだけれど、、、。

鉄にとって空気やほかの物質と結びつくことが安定している状態だと考えれば、鉄をつかった彫刻がそのようにほかの物質と結びつき錆びていく、果てにはその形がなくなってしまうことも考えていたかもしれない、とDAISYを見ていると思ったりするわけです。