Masaki Kawada Web

あなたにとって学芸員ってどんな存在?

今、僕が住んでいる賃貸マンションには午前中だけ通ってくる管理人さんがいる。
この管理人さん、長くマンションの管理をしていることもあって、仲良くなるといろいろと話が聞けて面白い。
例えば、「昨日の夜中、うるさかったんですけど何かあったんですか」と聞くと「どうやら夫婦喧嘩みたいだよ。夫婦喧嘩は犬も食わないって言うからね。相談されても困るんだけどねぇ。」と愚痴をこぼしたり、もちろんゴミの分別など生活する上で必要な事には的確に答えてくれる。
それにこの管理人さんは地域のことにも詳しいから、引越してきたばかりの僕にとっては頼もしい存在でもある。
さて、「あなたにとって学芸員ってどんな存在?」ということだけれど、僕は学芸員をここに書いた管理人さんと同じような存在に感じる時がある。
それは参加した展覧会での適切なアドバイスを始め、専門の知識や情報が豊富で話も面白いということもあるけれど、もっと似ていると感じるのは、出会ってきた学芸員が管理人さんのようにあまり表舞台には立たない存在でありながらも、それぞれ顔の見える人たちだったということなんですね。

『LR Returns』 / 12号 / 2007年 / p.75