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写真ノ書

ごくありふれた日常のスナップ、家族や友人、恋人との記念写真・・・。今や写真は誰にでも手軽に撮影し加工できる、日々の営みを豊かにしてくれるひとつのメディアである。そして写真は私たちの生活の奥深くまで入り込み、それが写真であることさえ気付かないほどに私たちは写真に対して視力を失い、同時に私たちの視線そのものも写真化しつつある。それゆえに写真をあらためて見つめ直そうとすれば、そこには常に困難がつきまとってしまう。

本書はそのような状況を踏まえつつ、あらためて写真を見るための写真で綴られた「写真」による「書籍」である。そしてまた、本書は写真と言葉を通して「新たに知る」ための「媒介物/メディア」でもある。

『写真ノ書』(かわだ新書002) / 2003年 / カバー