Masaki Kawada Web

オールド/ニュー準備室 vol.8

オールド/ニュー準備室のためのメモより

さて「オールド/ニュー準備室」を、私的な都合でしばらくの間、更新をお休みさせていただいていたのですが、さぞ充実した内容を公開できるのではないかと思いきや、お休みさせていただいた期間には大した状況の変化も起こらず、淡々とした平凡な日々が過ぎていくだけで特に話題もなく、親しい友人から、この「オールド/ニュー準備室」への指摘もあり、日記などを公開してみようと思ったのですが、それも「このような変化の乏しい日常を公開したところで・・・・・。」という諦めのほうが強く、結局、このように状況説明、あるいは言い訳を書くしかなく、それではここに書かれている文章も、先の日記にて個人の閉じられた独り言に過ぎないわけであり、けれども、そのような閉じられた独り言も、徹底的に推し進めていけば、きっと開かれたものとして、あるいは、魅力的な輝きを放つ瞬間があるかもしれないという浅はかな希望を持ってはみるものの、このように公開してしまえば、結局、徹底されることにはならず、ということは、ここに書かれていることは、いたる所に遍在する多くの独り言にすぎない訳であり、そうなると息もとぎれとぎれに、読みにくい文章をただ書き続けていくしかなく、けれども、そのような状況を幾度か繰り返していると、個人の、閉じられた、誰にも必要とされていない話、独り言を、自分自身すらも無関心に、興味が薄れていく状況に対面し、もはや、そのような無関心は関心があることと同列に、平行したまま現われ、そして、それは美術に関わること、作品をつくることの状況においても同様に、見られることを前提としながらも、見られることを拒否し、読まれることを前提としながらも、読まれることを拒否するような状況、態度としても現われ、そして、それは押しては引く波のように、美術に関わり、寄り添いながらも、美術を無関心の対象として、無視している僕がいるという状況に対面するのです。

2002年10月11日(金)

『オールド/ニュー準備室 2002年10月12日号 vol.8』 / かわだ新書プロジェクトホームページ / 2002年