ですから、当選された方が当選したことを誰にも言わずひっそりと楽しむことも、他の人と共有し鑑賞することも出来ますし、実際に本に挟んでもよいわけです。
しかし、このような態度は「かわだ新書特製しおり」が制作した当時の状態に限りなく近いかたちで残らないことを助長するのかもしれません。
なぜなら、仮に全ての当選者が実際に「しおり」として使用した場合、当然のように「かわだ新書特製しおり」は傷み、そして、その使用頻度が高ければ高いほど当時の原型を留める可能性が低くなるからです。
けれども、僕はこの「かわだ新書特製しおり」に限って言えば、そのような状況になったとしても悪いこととは考えていないわけです。むしろ、当選者が鑑賞方法や使用目的を選択するという、そのことがこの作品の重要な要素であり、「かわだ新書特製しおり」が保存されていくかどうかはさして重要なことではないわけです。
それでは、最後に「かわだ新書特製しおり」の制作風景を公開して終ろうと思います。
(*1)「かわだ新書特製しおり」の応募は終了しております。多数の応募、ありがとうございました。