Masaki Kawada Web

sample、葉書、あるいは

代り映えのしない、いつもの風景。
私、今、覚醒。
黙ったまま、動くこともなく、
待ちすぎたのかもしれない。
さもなければ、
昨日の夢。
2001.5.5


限りなく遠く、
私は、
誰の、
前触れ。
再考、もしくは、
帰結。
2001.5.15


可能、いや、
僅かかもしれない。
だけれども、
まだ、見たことのない、
冊子、
亀裂。
2001.5.16


唐紅の蜜柑色した、
割れた硝子ごしに、
誰かさんとぶらさがる。
舞い降りてきた静けさが、
さっきまで駆逐艦の浮かんでた通りに、
きみを描いたんです。
2001.5.17


可もなく不可もなく、
わだかまりさえも、
誰もが、
紛れもなく、
去ることが可能。
亀裂。
2001.5.18


限りなく遠く、
訳もなく消えていく、
断崖の、
まさに、
さっき見た、
記憶。
2001.5.19


蚊帳の外。
我先に飛びつく。
誰が見ている。
まるで箱庭。
さっきまで寝ていたのに、
きっと、それは蚊帳の外。
2001.5.20


辛うじて、
私。
断章。
または、
錯乱した、
季節。
2001.5.20


顔が笑う。

黙ってくれればいいんだ。


君の言葉が聞こえないから。
2001.5.20


かつて見た風景。
私。
誰が、
眼差し。
遮られ、行き場をなくす、
客観的な景色。
2001.5.21


形のない、
割れて、砕け散る、壁。
だからといって、
魔法なんて信じちゃいないのです。
最後かもしれない。
きっと、それは鏡の向こう。
2001.5.21


壁。


または、

危険な機械。
2001.5.22


完全で不完全な、




共存。
2001.5.22


会話。
私、と、

まったく異なった、

昨日。
2001.5.22


彼女は言いました。
訳なんてないのよ。
だって、
魔法をかけられたみたいに、
去っていったもの。
きっと、それは明日からやって来たのかもしれないわね。
2001.5.23


確実な。

駄作。



2001.5.23


彼から伸びた手が、
私をすり抜けて、
誰も見ることのない、
または、
さっき見たのかもしれない、
きっと裏側。
2001.5.24


過去。





2001.5.25







気分。
2001.5.25


かもしれませんね。」
私の記憶は、
濁音。
最後に、「そういえば、
さっき見た風景は、
切れ切れです。
2001.5.25


会話。


または、紙片。


2001.5.26


鏡の裏側。


まさに、ここ。

気づくことが可能か!
2001.5.26


勝手なこと、言わないでください。
わからず屋だな、君は。
だって、仕方ないんですよ。
まだ、そんなことを言うのか。
さっきまでここにいましたから。
君の嘘は聞き飽きたんだよ。
2001.5.26


彼と彼女の間、
私。



記憶の前。
2001.5.27



湾曲した、
楕円。
または、
さして意味のない
奇形。
2001.5.27




誰、


君は。
2001.5.28


絵画。

誰の、


鏡面。
2001.5.28



私、

全くの別人、いや、隣人。

気狂い。
2001.5.28




誰からの手紙。



2001.5.29


かわいい顔をして君は、
忘れていただけかもしれないなんて、
黙っているだけ。
まんざらじゃないみたい。
さっきまで隣に座っていた、
今日。
2001.5.29


辛うじて、

ただの、
また、

兆し。
2001.5.30


解剖。

ただ、


切り刻まれたままの。
2001.5.30




黙っている、
または、

きっと、この連続した言葉。
2001.5.31


彼の、
私、まだ、未読。
誰が、その複数の、
または、
さっき見た風景。いや、
きっとそれ自体を。
2001.5.31




断章。
または、

兆し。
2001.5.31







今日は、
2001.6.1


紙の、

断面。
全くの、


2001.6.1


彼と、彼女と、私。


または、
sample

2001.6.2



私と、

全くの別人。

きっとこの響き。
2001.6.2


カッコ付きで、


幕に遮られた、

きっと、この文節。
2001.6.2




黙ったまま、

遮られ、

2001.6.3


片手には、
私。

間違いなく、

切り刻まれた、
2001.6.3


彼の話した、
忘れた箇所は、空白。

まぁ、なんて、かわ

綺麗な窓硝子。
2001.6.3


かつて見た風景。

大宰の、



2001.6.4



僅かに、


されたようです。
生地の上に。
2001.6.4


河辺の、


または、複数の葉書。


2001.6.5


回帰したように、


または、あまりにも鼻につく異臭。
最良の、
極め付けは、最後の方で、
2001.6.5








2001.6.6




だとしても、
曲がりくねった、

君の、
2001.6.6


かもしれませんね。」なんて、
私。
黙って、
まぁ、そんな。
さっきまで、
君が言っていたこと。
2001.6.7


仮の、


または、

今日の、
2001.6.7


仮にそうだとしてもですよ、
分かるはずがないでしょう。
だって、
まったく的外れなんだから。
さっきまで隣にいたからって、何で、
君だと言えるのかしら。
2001.6.8


勝手なこと言わないでください。」なんて、
分からない素振り。
誰も見たことのない、
まやかしの、
さもなくば、
気が狂いそうな、
2001.6.8


架空の、

だって、こんなに分裂してたら、
まったく、

君の、次の、
2001.6.9




だいたい、

sample.

2001.6.9


kagirinakutooku.
watashiha.
dareno.
maebure.
saikou.moshikuha.
kiketu.
2001.6.9






逆さまの、
切り刻まれた、
2001.6.10


カーテン。

台所の、
まるで、
逆さま。
黄色い画面の、
2001.6.10


絡繰に、
私。
騙しの、
真っ正面から、
去っていく、
きっと、それは鏡の、
2001.6.11


カラーチャートに絡みつく、

濁音。


切り刻まれて。
2001.6.12


限られた、
私と、
橙色。

遮られ、

2001.6.12


形のない、



sample.

2001.6.12



私ではありません。」
だって、この半端。


記号。
2001.6.13


確実なリズム。
私の前で、

また、時には不確実。

きっとこの切れ目、あるいは、空白。
2001.6.13


彼のその言葉。

誰も、読むことのない、
または、

聞くことのない、不可視のテキスト。
2001.6.14


考えにすらならない。


またしても、失敗。
作品に差し挟む。
切り刻まれた、その、
2001.6.14



私。


最大公約数の、

2001.6.15


カメラは一つの断片を、
私の前。
誰からの、
または、後退。


2001.6.15


カーテンの向こう側から見ているのは、
私、

または、名付けらた後の、

きっと、君。
2001.6.16





または、反自然的に。


2001.6.16


紙芝居の、
忘れてしまう、

また、めくれば別の、

季節。
2001.6.17


仮の、




境界線。
2001.6.17


彼も自分自身へと、
忘れ去ったまま、

前、と、後ろ。
三枚目の写真。

2001.6.17


鏡に仕切られた、


または、映画の。

極北へ。
2001.6.17


寡黙に、




記憶に纏わりつく、
2001.6.18


かなりの、


または、

切り刻まれて。
2001.6.18


噛み砕いて食べてください。
悪いものではないですよ。
誰だって食べているのですから。
まずいなんて聞いたことがありません。
さっき来たお客さんも食べていきましたし。
きっと美味しく食べられますよ。
2001.6.19


書かれた言葉、
私の、
だとしても、
全く異なるこの空白。

切り刻まれて、この言葉。
2001.6.20


鏡、いや、


窓硝子。

気づけば、また別の。
2001.6.20


彼と、

誰、


君は。
2001.6.21



忘れたままの、
誰、
間違いなく、

君。
2001.6.22




脱色したままの、
窓硝子の向こう。
遮りながら、
君。
2001.6.22



分かるはずもない、

まずは最後の方から、

気づけば君は。
2001.6.23


書くことはむしろ不可能。




気が狂う、季節。
2001.6.24



私の、

または、入れ物。
さもなくば、

2001.6.25


形のない、


または、裏返し。

きっと、不可視の光。
2001.6.25


鏡と紙片。

誰の、
または、
さっきまで見ていた、
きっとその余白。
2001.6.26


褐色の影に透ける、

誰が見ている、


きっとその裏側。
2001.6.27



私、
誰の、


気づくことは可能か。
2001.6.27


覚醒、今、
私。




2001.6.29


閑静な、
渡ることもなく、
濁音の響き。


昨日。
2001.6.29




誰の声。



2001.6.30


過去、あるいは、



sample.

2001.6.30







きっと、この繰り返し、不可視の。
2001.7.1





まさに、この空白。


2001.7.2


彼女は昨日の朝に、
私を連れて、
誰もいない場所に、
待たせたまま、
去っていく、
黄色い画面、spiral。
2001.7.3






sample.
記述以外の。
2001.7.3


隠された、
私の、
誰が気付く、
または、この空白。


2001.7.4





または、これ。

記号は、=か?
2001.7.5



私、詩的に、他人の。




2001.7.5








2001.7.6






サンプリング、
記述以前、この余白。
2001.7.7


からといって、
わかるはずもないでしょ、これ
だけで構成されてい
ました。」いや、
最後に「そんな
気さえする。予告編の始めだ
2001.7.7


彼の名前は?
私も会ったことがあるかしら?
誰がそんなこと言っていたの?
全くご存知ではないですか?
錯覚ではないですよね?
気でも狂ったのですか?
2001.7.8





または、葉書。


2001.7.8







切り刻め、この余韻。
2001.7.9



わだかまりの残り、
誰?
全く、
去ることのない、
気付けば、閉じられた、」
2001.7.10






去ることは、可能か?

2001.7.11


彼、
私、


先のことなど分かるはずもない、
亀裂。
2001.7.12


書くこと、あるいは、



sample.

2001.7.13







気紛れな季節、公開。
2001.7.13


限りなく近くに、
私、

または、この葉書。


2001.7.14





またしても、この余韻。


2001.7.15


かつて見た、この葉書。





2001.7.16


彼、
私、
黙ったまま、
またしても、
去ることは可能。
きっと、次の段落、葉書。
2001.7.17






sample.

2001.7.18

『sample、あるいは、公開』 / 展示作品 / ギャラリーそわか / 2001年